今回レビューするのは、杉井光著「さよならピアノソナタ」第四巻である。
「さよならピアノソナタ」シリーズの最終巻であり(後に短編集は出るものの)、
本シリーズのテーマ性の最高結集作といえそうな本巻。
クリスマスを迎えた主人公は、ヒロインである真冬に対してずっと秘めてきた思いを起こそうとする。
はたして主人公と真冬はハッピーエンドを迎えることができるのか?
彼らを取り巻く周囲の様子とは?。
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簡潔でありながら、そのストーリーに複雑性はほとんどといって良いほどない。
真冬との恋・神楽坂との革命をめぐる問答・千晶との友情・・・
そして音楽がめぐり合わせた彼らと主人公との運命。
本シリーズの主題性はぶれることなく、最後まで貫かれている。
コードウェイナー・スミスの「ノーストリリア」から拝借された伏線も
なかなか上手く、エンディングへ向けて、回収されてゆく。
SF文庫である、「ハヤカワ文庫」や、実在の管弦楽団などをモデルにとり、
リアリティも上手に、しかも無理なく、アレンジできている。
第一巻・出会いの春、第二巻の夏、第三巻の秋、そして第四巻の冬と
季節性もうまく折り込んでいる点も特筆に価する。
まぎれもなく、電撃文庫史上に残る、隠れた傑作といえそうだ。
「さよならピアノソナタ」(第四巻)杉井光
Written on 11月 15, 2011 at 12:47 PM, by admin
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